「ただいまー」

返事が全くない。それもいつもの事だ。

「ただいまー!」

少し声を張ってみる。奥の方からそんなに大きな声を出さなくても聞こえてる、と歓迎の返事が聞こえた。

冷蔵庫から晩御飯を取り出すと電子レンジに入れる。
たった1日のレンジ生活なのに電子レンジに愛着を覚えている。

「私もう寝るから、おやすみ」

おやすみと答え、心の中で電子レンジにこの後はあっちで暖めてくれよとつぶやいた。

本当のただいまはパソコンの中にあるのかもしれない。これから仲間になるであろう多くの仲間が、おかえりと言ってくれるかもしれない。

希望と好奇心に心を震わせながら晩御飯に箸をつけた。