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1月、私たちは年越しも一緒に過ごし、年始も何度か会っていた。
「明日だっけ、温泉旅行。」
「そう、明日の夜行バスで出発だよ。あー早かったな。」
「大学の友達に会うの久々じゃない?」
「そうだねー、陽香くらいしかなかなか会えないなー。」
「楽しみだね、旅行。俺もお土産が楽しみだなー。」
年が明けてから、京太は明るく、私にも少し優しくなった気がする。
京太の膝に頭を乗せて横になると、京太は優しく私の頭を撫でてくれた。

今。今な気がする。
今想いを伝えたら、きっとうまくいく気がする!

「京太、あのさ・・・」
「ん?」
「・・・忘れちゃった。」
「何だよそれー。」
京太は笑った。優しく頭を撫でてくれた。
私は見えないように少し泣いた。
自分の弱さが憎かった。

次会った時には、必ず。
旅行から帰ってきたら、必ず・・・。

そう心に誓った。
この瞬間を永遠に後悔するとも知らずに・・・。

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