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「ねー、今度京都行くんだっけ?」
「そーだよ。京太、お土産ほしい?」
「別に。」
こいつ、本当に冷たいな。付き合ってた時はもっと優しかったのに。
昔の京太を思い出すのはやめようと誓ったのに、ふいにまた思い出す。
今の京太の反応が、今の私に対する気持ちなんだ。
悲しいけど、認めざるを得なかった。
「ねー、今からする?」
急に京太が甘えてきた。
この瞬間だけだなー、前と変わらないのは。
「仕事間に合うの?」
「頑張ってすぐ終わらせるからー。」
いいよ、とは言ってない。
でも、嫌がる素振りを全く見せない私を見ると、彼は始めた。

「お土産、食べ物がいいなー。」
「そうなの?じゃ、何か買ってくるね。」
「超期待してる。じゃね。」
京太は特に表情を変えないまま仕事へ行ってしまった。
「せめて笑顔で期待してるって言えよ・・・。」

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