砂~限りある時間のなかで~

ナナセはこの後彼氏とデートだから、バイバイすることになった。


「岡本くんといい感じになるのよー?」


いい感じって何!?



「はーい。」

私は訳も分からず、返事をした。


ナナセが旅立ってから、岡本くんが来るのを待った。


その間はとりあえず、近くの本屋でも寄っておこー。


「あっ、この本可愛いー。」

エッセイ本を手に取り、パラッと読んだ。

子どもの本みたいに、可愛いイラストがあって、その隣のページには文字が書いてある。


『笑顔は幸せを呼ぶ。』

『泣きたい時は思いっきり泣けばいい。』


短い文章で生きていくために役に立つ言葉が書いてある。


これは私にとっては背中を押してくれる本かもしれない。