砂~限りある時間のなかで~

「そっか。マルキュー行く?多いよね。」

「行きたいー!行こいこ♪」


絶対多いわー。
でも、福袋あるから、いいよね。


人混みをかきわけて、外に出た。人通りの少ないところに行くと、見覚えのある人が。


そこにいたのは深田くんと美咲ちゃんだった。まるで芸能人のプライベートかのように、こっそりといて。


私としたらすぐ分かるのに。
そんな時、美咲ちゃんが私に気づいて、小さく手を振ってきた。


私も振り替えした。隣にいた深田くんは何とも言えない顔で私を見てきた。

気まずい。でも、距離はそこまで近くはないから、大丈夫と思えば大丈夫だけど。

私の隣にいたナナセはため息をついた。
「みずき、行こ。」

「うっ、うん。」