誰にも病気のことを話さずに過ごし、 1ヶ月が経った。


病院から貰っている薬のおかげで、
何とか体調は大丈夫なものの、
最近はよく熱を出すようになり、
学校を休むのが多くなった。


ナナセからラインが着て、
『みずき、大丈夫?私に何か出来ることあったら言ってね。』
温かい文章で、目頭が熱くなった。

私…もう隠し通せないよ。
でも、それでも言えない。

臆病な自分が嫌いになった。


ガンなんて…なくなれば、
こんなに悩むことはなかったのに。


どうして私なの?

窓の外を見ると、木々が揺れていた。
部屋は暖かいのに、心は冷たくなっていた。