「当然のことだけど、勇希はそのこと何も知らないんだよな。」

「知らない…。けど、言わないでね!」 

私は必死だった。

何をするかわからない人だから。

「言わないよ。お前を困らせるようなことはしない。」



キュン。


何よ…。

そんなこと言わないで。


「そんな離れてないで来いよ。」

「やっ、やだ。」

私と岡本くんの距離は机と机ぐらいの距離。

「ま、お前が来なくても俺から行くけど。」

そう言いながら、メガネを外した。


ドキッ。

そのメガネ外すの反則なんだけど。


「な…何よ。」

段々距離が近くなってく。

岡本くんの右手が私の左手に触れた。

鼓動が早くなる。

「どっ、どうしたの?」