砂~限りある時間のなかで~

「ねぇ、西宮さん。」

振り向くと、深田くんが立っていた。


「あっ…えっとー…」

深田くんは悲しそうな顔をしていた。でも、すぐそばには美咲ちゃんがいる。

その状況がかなり苦痛なことを感じた。


「私、用事あるんだった。」

変な逸らし方をしてしまった。

行かなきゃいけないところなんてないのに。



私は人気の少ない廊下まで走ってきた。


私、何やってるんだろう。


「お前っ、何やってんの?」

息を切らしながら、私のところに来たのは岡本くんだった。


「なんで来たの。」

「は?お前、次授業あるのに下手な嘘ついて走るとかバカだろ。」


なんだとー!?


むかつく。
余計なこと言わないでよ。


「ほっといてよ。」