砂~限りある時間のなかで~

教室に入って、席に着いた。
後から入ってくる深田くん達の方を向くと、また彼と目が合った。


「あっ、ナナセ。授業ってなんだっけ?」

「えっ?数学でしょ。」

「あはっ。そうだったー。」

「何言ってるのよ。」


私、ちょっとおかしいかも。
不自然だよね。


深田くんを見ると、鞄から教科書を出して用意をしていた。

岡本くんをチラッと見ると、私を見ていた。

なんだっ、私のこと見てる。
しかも、無表情だし。
こわいよ。


いまいち掴めない人だな。




授業が始まり、今日は軽い小テストがあった。


まぁ見事に分からなかったけど。一応勉強はしたんだよ?