砂~限りある時間のなかで~

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「おはよ。」
「おはよう、ナナセ。」
「深田くんとはもう話さないのね。」
「うん…。」


話さないって決めたの。


私には彼とは付き合うことは出来ない。彼女想いなんだって分かるし、たとえ学校で2人が話してなくても。

想い合ってるんだっていうのが伝わる。


「みずきがそう言うなら、しょうがないね。」

ナナセは止めなかった。

いつも私に正しい方向に導いてくれる。
反対していたのに、私の考えでなんてはじめて。


学校の登校中、
女子高生の歓声が聞こえた。