深田くんは優しいし、頼りになるから大丈夫だと思うんだけど。トラウマってきついよね。


「大丈夫か?顔真っ青だぞ。」

「大丈夫だよ。寒いだけだもん。」


岡本くんは背中を向け、しゃがんだ。

「乗れよ。」

えっ?


私は呆然と突っ立っていると、
舌打ちをして、

「早く乗れ。退院出来たからって調子乗ったら戻るぞ。」

ひぇっ!

こわいし、強引。

「はい…。」

でも、そうやって私の体を気遣ってくれるところは優しい。


「道、教えろ。」

もうちょっと言葉を優しく言えないのかな?あんたは。



岡本くんの背中、あったかい。
ぽかぽかする。


「ここか。」
「うん。」

おんぶしてたのが降ろされて、
地面に着いた。