砂~限りある時間のなかで~

「はい?」

「笑ったな?」

「だって、面白くて。」

深田くんの私に見せる顔が恋しい。何秒かだけでも、私に見せて欲しい。



「行こっ!」

美咲ちゃんは深田くんの手を引っ張って歩き出した。

ちょっとふくれっ面。

私と楽しそうに喋ってるの見て妬いちゃったとか?


「西宮さん。」
「ん?」
「何でもないっ」

何だなんだ??
拓也くん、今日は切なげな顔を見せるから、何かあったのかな?


「みずきちゃんも行くでしょ?」
美咲ちゃんは聞いたけど、
行きたくないな。

「私もこの後は用事があるんだよね。」

小さな嘘をついた。

「そうなんだ。じゃあ、また学校で!」

「行こっか。」
「うん!」