砂~限りある時間のなかで~

「ごめん。急に出て行ったりして。」

「ううん。でも、探したよ。」



困らせてしまった。


「これ、渡そうと思って。」


「え?」


渡されたのはアルバム。



「みずきから、渡してほしいって頼まれたの。」

「みずきから?」


俺はそっと中を開いた。



すると、2人が笑顔で写っている写真だった。


映画館に行った時、水族館に行った時、
たくさん写真が貼り付けてあった。



ペラペラとめくり、最後のページ。



そこには手紙が張り付けていた。


「何これ?」

俺は封筒を開け、
紙を取り出した。



俺はまた、涙を流した。





みずきの分まで、生きてやる。


そう誓った。