砂~限りある時間のなかで~

【勇希サイド】


みずきの体はどんどん、弱まっていく。
その姿は見るのが予想以上に辛くて、何度も目を瞑りたくなった。


でも、俺が支えてあげないとと思って、ずっとそばに着いていた。


俺がどうしても行けない時はナナセにお願いして、会いに行ってもらったりもしていた。


なるべく一人にさせないようにしないと。
余計なことを考えてしまうかもしれない。



俺は今日も病院に行った。



みずきに声を掛けても、返事はなかった。



もしかしてっ!!

と思い、体を揺すった。


そしたら微かな声で、

「ゆうき…」

と言葉が聞こえた。



よかった…。



俺は泣いていた。


突然の死が怖かった。