もう起きあがれなくなってしまった。



「みずき?」

でも、ちゃんと聞こえるし、見える。


勇希の姿。



「みずき…」

私の弱くて、力が入らない手を握ってくれる。


震えてるのを隠そうとしているのがバレバレだよ。


静かな病室に響くのは鼻をすする音。


泣いてるの?




泣かないで。



私のために、泣いたりしないで。







薬の効き目が強かったのか、私は眠気に襲われ、眠ってしまった。