「美咲。」

驚いたような顔をしたけど、強ばってるようにも見えた。


「久しぶりだよね。」

「そうだな。」

前は一緒にいると楽しくて、空気が澄んでたのに。
今は重く、居心地が悪いな。


私がそうさせたのかな?

「とりあえず、帰るか。」

「うん。」

歩き出したものの、まだ風が冷たい3月の季節風が肌に触れた。


「私のこと、こわい?」

「なっ、何言ってんだよ。そんなことないよ。」


動揺してる。
勇希は変わらないね。

嘘つくの下手だもんね。


「勇希は今も気持ちは変わらないんだよね。」

「あぁ…」

意地悪してるわけじゃないんだよ?
ちゃんと聞きたいだけ。

「そっか。」

「美咲、ごめんな。」

「謝らないで。」