砂~限りある時間のなかで~

「言わないつもりだったよ。最後まで。でも、あの子からしたら、時間がないの。」

「…」


ガン…


余命…


死んじゃうの?



身近な人が亡くなることはなかった。だから、嘘だと思った。

それに、余命なんて…
自分がもうすぐ死ぬって分かってるなんて、怖い。


「だからと言って、別れなさいとは言わない。みずきが病気だとか関係なく、決めて。」

ナナセさんはまっすぐ私を見て言った。


みずきちゃんは素敵な親友に大切にされてるんだね。


考えてみれば、どこかでみずきちゃんのこと羨んでたかもしれない。

誰からでも好かれて、好きな人にも好かれて…。

私もそんな人になりたいって思ってた。
でも、私にはなれなかった。