ナナセさんだった。

憧れてはいた。
美人だし、料理上手だし、めっちゃかっこいい人が彼氏で。

でも、冷めてるように見えるし怖い。


「ナナセ、言い過ぎだよ。」

みずきちゃんは私のこと、怒ってないの?何で、優しくするの?


私は泣いてしまった。


「美咲ちゃんっ?」

背中をさすってくれるみずきちゃん。
でも、その手を振り払ってしまった。


みずきちゃんを見ると、悲しそうな顔で私を見た。

どうせ、私のこと可哀想な女だって思ってるんでしょ?

距離置いたことも、学校中に広まる前に勇希から聞いてたんでしょ?



「美咲ちゃん…」