「あのね、こんな時に言うのはおかしいと思うんだけど…」


西宮さんは頬を赤らめて、


「作ってきたの。」

「えっ?」


どうぞと渡されたのは可愛くラッピングされたものだった。


「バレンタインだから…。」

「ありがとう。」

めっちゃ嬉しい。


貰えないと思ってたのに。


「いっぱい貰ってるよね。さすが!」

「いやいや…ありがたいけど、大変だよ?」

「でしょうね。」


あんなに悩んで落ち着かなかったのに、西宮さんと喋っていると、落ち着く。


「でね…。あれから考えてたの。もう余命もあと少しなのに、本当にこれでいいのかって…。」

「うん…。」


「美咲ちゃんには悪いけど、私にとっては後悔したくないなって。」