彼女がいるとか関係なく、女子が殺到してきた。


手にはいっぱいの可愛く包まれたお菓子。


去年より多いかもしれない。



「さすがだな。」

龍司は他人事みたいに言うけど、龍司も結構貰っていた。


すると、いつもより遅く教室に入ってきた西宮さんを発見した。


「みずき、遅くない?」

「ごめーんっ。せっかく作ったお菓子忘れて取りに帰ってた。」


どんくさいな。


手作りのお菓子か。


誰に渡すんだろう?
龍司かな…。


龍司を見ると、本を読んでいた。


西宮さんの声、聞こえてなかったのかな?
それとも、聞こえない振りをしたのかな?


どっちにしろ、きっと龍司に渡すんだろうな。




授業が始まり、眠気と戦う。