もしかしたら、同情したからかもしれない。


その中学の時の友達みたいになるからって…。

私の気持ちも知ってるよね。


「俺、諦めないから。」

マンションの前に着いた時、深田くんはそう言い残して、走って行ってしまった。

私が反対するのを防ぐように。



「ただいまー。」

「おかえり。夕飯出来てるわよ。」

「はーい。」


深田くんにメールを送ろうかな。


ありがとうだけでも、言わないとね。


『今日はありがとう。』

送信…。


『こちらこそありがとう。気持ちは変わらないから。』


嬉しいような、これでいいのか分からない。


龍司と付き合って、深田くんとは付き合わない理由。

それは美咲ちゃんという存在。