砂~限りある時間のなかで~

もしかして、龍司に聞いたの?
 

「俺の中学の時に仲良かった友達がさ、ガンで亡くなってしまったんだ。アイツは俺に内緒にしてた。毎日薬飲んだり、体育も参加しなかったり…。大したことねぇって言って笑ってた。」


私と似てる…。


「死んだ後に知らされたんだ。」



嘘…。



「アイツの優しさだとは思うけど、友達なんだから言って欲しかったんだよな。」


「そうなんだ…。」


始めて聞いた、深田くんの話。
そんなことがあったなんて。


「そのことを思い出したんだ。西宮さんを見て。」

隠しきれないな。
言ってしまった方がいいかもしれない。

彼を余計に傷つけたくない。


「私ね、ガンなの。余命3ヶ月って言われた。」