俺のこと、考えてはくれたと思うけど、どうして連絡くれなかった?


美咲の住むマンションに着いた。


早くなった鼓動を抑え、
美咲に何て言えばいいか分からないという変なドキドキをしながら、インターホンを鳴らした。


「はい…」

少しトーンが低い声がした。

「深田です。」

美咲なのは間違いない。

ガチャッ。


玄関のドアが開いた。


「勇希…勇希!!!」

どこか切なげな顔をした美咲が飛びついてきた。


「美咲?大丈夫か?」

「大丈夫だよ。」

「なんで、連絡してくれなかった?」

そう聞くと、黙り込んでしまった。


「心配したんだぞ?」

「ごめんなさい…。」

「大丈夫ならよかったけど。」