「夜空の星を見て、いつも君のことを想ってた…」
「星を見上げて…貴方のことを思い出した…」
「…何も言わずにいて悪かったと思う…一日も早く帰りたくて、毎日必死だったから…」
「…ずっと忘れないでいてくれた…それだけで…十分嬉しい…」
「…日本に帰って君に会ったら…」
「…貴方が帰ってきたら…」
『一番最初にお礼を言って…』
『それからぎゅっと握手して…』
「もう放さない…」
「何処へも行かないで…」
「あの時、言えなかった言葉を贈ろう…」
「星空の下で、自分の気持ちを話そう…」
「僕は…」
「私は…」
『君(貴方)が好きーーー…』
最後の音が重なって、鳥肌が立った。
指揮棒が止まった途端、鳴り響く拍手の音に耳が痛くなる。
坂本さんが下りて来て、私の手を取る。そのまま指揮台の横に連れて行かれ、彼からも拍手を受ける。
キョトン…としたまま彼を見て、お辞儀するよう促された。
頭を下げると客席の音が一層大きくなる。二人で分け合いたくて、自分も彼に拍手を贈る。
慣れてるように客席に頭を下げる。その姿が頼もしく思えた…。
胸が熱くなって、涙がこみ上げる。
全てが最初から決められてたらしく、知らないのは私だけだった…。
演奏会終了後、騒めくロビーの中は興奮気味に話す観客と団員達で溢れ返っていた。
父と母は、水野先生を初め、団員全員にお礼を言って回ってた。
「小沢さんの言ってた通りだったよ…」
客席から出てきた三浦さんは、私の所へ来るなり話し始めた。
「坂本さんのトランペットの音は確かに素晴らしかった。他の音は、耳に入らなかったよ…」
「…でしょう⁉︎ 良かったー」
喜ぶ私の顔を見て、奥さんは彼のことを突ついた。
「小沢さんのフルートもちゃんと聞こえてたよ!二人の演奏息ピッタリで、とても気持ち良かった!」
腕の中に抱かれた花音ちゃんは、眠たそうに愚図ってた。その背中を撫でながら、奥さんは私に笑いかけた。
「いつかこの感動をエッセイに書くね。…天井のライトが美しくて、本物の星空みたいだったよ…」
初めて家に伺った時と同じ、真っ直ぐな瞳だった。三浦さんの奥さんは、心のきれいな人なんだな…って、その時しみじみ思った。
「真由ー!サイコーだったよー!」
夏芽は私を見つけると、ぎゅっと抱きついてきた。
「すっごく良かった!ずっと練習してきた甲斐あったね!坂本さんとの二重奏もバッチリだったよ!」
口早に喋り、嬉しそうな顔をする。
「二人で会話してるような感じしてたけど、私の気のせいかな⁈ 」
じっと見つめる夏芽から目を逸らす。あの場の雰囲気を思い出し、急にテレくさくなった。
「よく覚えてないな…。急な指名だったし…きっと坂本さんが私に合わせてくれたから、そう感じたんだよ…」
笑ってごまかしておく。大事なことだから焦りたくない。
「そぉ…⁉︎」
ニヤつきながら夏芽が会場を後にする。父と母を見送り、最後のお客さんと握手して、会場のドアは閉められた…。
「星を見上げて…貴方のことを思い出した…」
「…何も言わずにいて悪かったと思う…一日も早く帰りたくて、毎日必死だったから…」
「…ずっと忘れないでいてくれた…それだけで…十分嬉しい…」
「…日本に帰って君に会ったら…」
「…貴方が帰ってきたら…」
『一番最初にお礼を言って…』
『それからぎゅっと握手して…』
「もう放さない…」
「何処へも行かないで…」
「あの時、言えなかった言葉を贈ろう…」
「星空の下で、自分の気持ちを話そう…」
「僕は…」
「私は…」
『君(貴方)が好きーーー…』
最後の音が重なって、鳥肌が立った。
指揮棒が止まった途端、鳴り響く拍手の音に耳が痛くなる。
坂本さんが下りて来て、私の手を取る。そのまま指揮台の横に連れて行かれ、彼からも拍手を受ける。
キョトン…としたまま彼を見て、お辞儀するよう促された。
頭を下げると客席の音が一層大きくなる。二人で分け合いたくて、自分も彼に拍手を贈る。
慣れてるように客席に頭を下げる。その姿が頼もしく思えた…。
胸が熱くなって、涙がこみ上げる。
全てが最初から決められてたらしく、知らないのは私だけだった…。
演奏会終了後、騒めくロビーの中は興奮気味に話す観客と団員達で溢れ返っていた。
父と母は、水野先生を初め、団員全員にお礼を言って回ってた。
「小沢さんの言ってた通りだったよ…」
客席から出てきた三浦さんは、私の所へ来るなり話し始めた。
「坂本さんのトランペットの音は確かに素晴らしかった。他の音は、耳に入らなかったよ…」
「…でしょう⁉︎ 良かったー」
喜ぶ私の顔を見て、奥さんは彼のことを突ついた。
「小沢さんのフルートもちゃんと聞こえてたよ!二人の演奏息ピッタリで、とても気持ち良かった!」
腕の中に抱かれた花音ちゃんは、眠たそうに愚図ってた。その背中を撫でながら、奥さんは私に笑いかけた。
「いつかこの感動をエッセイに書くね。…天井のライトが美しくて、本物の星空みたいだったよ…」
初めて家に伺った時と同じ、真っ直ぐな瞳だった。三浦さんの奥さんは、心のきれいな人なんだな…って、その時しみじみ思った。
「真由ー!サイコーだったよー!」
夏芽は私を見つけると、ぎゅっと抱きついてきた。
「すっごく良かった!ずっと練習してきた甲斐あったね!坂本さんとの二重奏もバッチリだったよ!」
口早に喋り、嬉しそうな顔をする。
「二人で会話してるような感じしてたけど、私の気のせいかな⁈ 」
じっと見つめる夏芽から目を逸らす。あの場の雰囲気を思い出し、急にテレくさくなった。
「よく覚えてないな…。急な指名だったし…きっと坂本さんが私に合わせてくれたから、そう感じたんだよ…」
笑ってごまかしておく。大事なことだから焦りたくない。
「そぉ…⁉︎」
ニヤつきながら夏芽が会場を後にする。父と母を見送り、最後のお客さんと握手して、会場のドアは閉められた…。

