ハルシンが来たすぐ後に、柳さんがやって来た。二人が来なくても、邪魔は入るようになっていた。
「…早えーな…」
中に入り、坂本さんがいるのを見て驚いた。
「……お前…よく起きれたな…」
朝が弱くてなかなか起きれないのを知ってるからこそビックリしてる。坂本さんの言い訳からして、朝6時に起きたらしい。
「雨でも降るんじゃねーか⁉︎ 」
柳さんが外を眺める。それくらい珍しい事だった。
11時前、先生が部屋に入って来た時は、既にチューニングも基本練習も済んでいた。
「皆、今日は気合い十分だな」
満足げに団員達の顔を見て頷く。最後の総合練習は、それから直ぐに始まったーーー。
2時間後、昼食休憩。
「真由ちゃんお昼食べに行く?」
石澤さんが聞いてくれる。
「今日はお弁当なんです。母が作ってくれて…」
ドット柄のランチバッグを見せた。
「あらーいいお母さんね…羨ましい…」
外へ食べに行くと言う人達を見送る。ランチバッグを手にしたまま、キョロキョロと室内を眺める。
(これ…どこで食べようかな)
練習室で食べてもいいけど、出来れば外で食べたい気分。
(あっ!そうだ…!あそこ…!)
自販機でお茶のボトル買って、向かった先はバルコニー。
坂本さんの送別会の夜、連れ出された場所。
ガチャ…と重い扉を開ける。フワッと優しい春風が吹く。
「気持ちいい…」
うーん…と大きく背伸びをする。あの時と違って、今は太陽の日差しが降り注いでる。
「眩しっ…」
手をかざして上を仰ぐ。霞のかかった空が、どこまでも高く見えていた。
ガチャ…と扉の開く音がして振り返る。
「あっ…」
「あっ」
お互いを見て目を逸らす。少し気まずい雰囲気。なんとかしないと…。
「…さ…坂本さんも今からお昼ですか?」
テレながら、ランチバッグを見せた。
「ああ。…僕はコレ…」
コンビニの袋をぶら下げてる。
「…良かったら一緒に食べませんか?今日のお弁当母が作ったから、きっとおかず沢山入ってると思うんです」
バルコニーの花壇の縁に腰掛けてフタをとる。やっぱり。沢山詰め込んであった。
「どうぞ。こちらで…」
予備の為にいつも入れてる箸を見せて呼ぶ。朝のことなど忘れて、隣り合わせて座った。
「…早えーな…」
中に入り、坂本さんがいるのを見て驚いた。
「……お前…よく起きれたな…」
朝が弱くてなかなか起きれないのを知ってるからこそビックリしてる。坂本さんの言い訳からして、朝6時に起きたらしい。
「雨でも降るんじゃねーか⁉︎ 」
柳さんが外を眺める。それくらい珍しい事だった。
11時前、先生が部屋に入って来た時は、既にチューニングも基本練習も済んでいた。
「皆、今日は気合い十分だな」
満足げに団員達の顔を見て頷く。最後の総合練習は、それから直ぐに始まったーーー。
2時間後、昼食休憩。
「真由ちゃんお昼食べに行く?」
石澤さんが聞いてくれる。
「今日はお弁当なんです。母が作ってくれて…」
ドット柄のランチバッグを見せた。
「あらーいいお母さんね…羨ましい…」
外へ食べに行くと言う人達を見送る。ランチバッグを手にしたまま、キョロキョロと室内を眺める。
(これ…どこで食べようかな)
練習室で食べてもいいけど、出来れば外で食べたい気分。
(あっ!そうだ…!あそこ…!)
自販機でお茶のボトル買って、向かった先はバルコニー。
坂本さんの送別会の夜、連れ出された場所。
ガチャ…と重い扉を開ける。フワッと優しい春風が吹く。
「気持ちいい…」
うーん…と大きく背伸びをする。あの時と違って、今は太陽の日差しが降り注いでる。
「眩しっ…」
手をかざして上を仰ぐ。霞のかかった空が、どこまでも高く見えていた。
ガチャ…と扉の開く音がして振り返る。
「あっ…」
「あっ」
お互いを見て目を逸らす。少し気まずい雰囲気。なんとかしないと…。
「…さ…坂本さんも今からお昼ですか?」
テレながら、ランチバッグを見せた。
「ああ。…僕はコレ…」
コンビニの袋をぶら下げてる。
「…良かったら一緒に食べませんか?今日のお弁当母が作ったから、きっとおかず沢山入ってると思うんです」
バルコニーの花壇の縁に腰掛けてフタをとる。やっぱり。沢山詰め込んであった。
「どうぞ。こちらで…」
予備の為にいつも入れてる箸を見せて呼ぶ。朝のことなど忘れて、隣り合わせて座った。