明はさっきから千鳥にベタベタベタベタ。
仲間想いに違いはないけど、千鳥も結構ウザそう。
隼人は至って冷静。
眼鏡を中指でクイッとあげて。
千鳥にくっついて暴れる明の服の衿元を掴み、病室を出て行く。
「来い……。」
声が低い……。
こりゃあ、隼人の怒りスイッチ押したな……。
大人しい奴ほど、キレたときは怖い。
隼人とか、幸とか、百合とか。
「……志帆達、遅いね。」
そう言ったのは、残った俺と千鳥と百合の内の、千鳥。
何だか、微妙な空気と気まずい関係……。
誰が話すわけでもなく、ただジッと個々に何かを見ていた。

