「……どうかした?」




そんなあたしの手を昴が掴んで、ソッと自分の頬へと伸ばして行く。




体温を持つ、昴の頬。


暖かい、人間の体温。





「……っ、……あたし、死にたくないよ……!」




初めて口に出した本音と弱音。



運命は変えられない。


あたしが死ぬことは、もう絶対なのに。




「あたしは、まだ生きたいの……!」





往生際の悪い。


あたしはまだ、“生”を欲しがっていた。





「…………。」




昴はあたしを抱きしめてくれた。



強く強く、優しく。


あたしを昴の腕の中から、逃がさないかのように。





「……好きだ。」