そこに、俺の知る千鳥はいなかった。





俺の知る千鳥はいつも明るくて、でも泣き虫。



クラスの中心で、教室を駆け回るような奴だった。





……今俺の目の前にいる千鳥は、細く華奢で物静か……。



病室のベッドに、横たわっていた。





「……あたしね、あと一ヶ月しか生きられないんだって。」



「え……。」



「一ヶ月後、死んじゃうんだって。」





平然とそんなことを言い、微笑む千鳥。





いつだって元気が取り柄だった千鳥が……死ぬ……?



そんな、まさか……。





「嘘、だろ……。」



「……本当だよ。余命宣告されたんだ、昨日。」