「カレー、お待ちー!温玉、おまけ
しとくよー!」

白身が少し透明で、黄身がどろどろ。
私の好み。サービスとはありがたい。

「どうもありがとうございます」

元気な厨房のおばちゃんに、冷静に
お礼を言ったのは、雷くんだった。

「食うか、時間ねーぞ 急げ!」

「あ、うん…!」

ホカホカのカレーに、温玉を混ぜる
雷くんは、湯気と被っていて………
どことなくクール。

「あの、なにやってんの?」

雷くんが、不自然に口を開けている。

「何って、あーんしてよ」

「はぁ?ちょ、な、な、なんで…」

「同じ皿でしょ?恋人同士ならこれ位
普通なんじゃねーの?」

「あ、そうか、恋人同士…うん、うん」

「納得したか」

「しました」