というか、帰ってほしい...


「いや、でも大丈夫じゃな...」

「大丈夫なんです!!!」


あたしは声を荒げた。


「すみません、取り乱して。
吾妻さんには関係ないので帰ってください」





「ねーちゃん?」




聖矢の声がした。


「ねーちゃん、どうして泣いてるの?
誰と...え、なんで吾妻...?」



聖矢はちょうど塾に行くところだったらしい。




「え、なんで聖矢が吾妻さんを知って...?」

聖矢と吾妻さんには接点はないはずだ。


「ねーちゃん、忘れたの!?
こいつは吾妻総合病院の院長の息子だよ!!」



「吾妻...総合...」


嘘...吾妻総合病院って...



「お父さんの死んだところ...?」



この辺では大きな病院で、お父さんが入院していたところだった。

お父さんは、そこの手術ミスで亡くなったのだ。


しかし大きな病院だったため、バレまいと多額の口止め料を押し付けてきた。
もちろん断ったけど。