明日はアシタの風が吹く!【最終話】

いつの間にかシャッターが少し上がってて、会長が下30cmあたりから顔を出していた。

ガシッと先代の腕をつかむ俺。

「んなややこしいことしないで、一歩ずつ進めばいいじゃないですか!!」

「うわぁっ!」

引っ張ったら先代は転がりながらシャッターの外に出てきた。

先代が起き上がる前に俺はシャッターを下ろす。

「あ~! オートロックなのに」悲壮な声を上げる先代。

シャッターにオートロック?

意味が分からん!!

「このチーズ意味ないんで、先代が案内してくださいよ」

俺がそう言うと、先代はブツクサ言いながら案内してくれた。

本当に赤煉瓦で階段回るわ通路が現れるわで驚いた。

「こら待て! 二歩下がれ!! 下がるんだぁっ!」

コンクリート打ちっ放しの通路の中で先代がわめく。

「そんな面倒なことしなくたっていいで」

「モカヒンしゃがめっ!!」

「えっ?」

反射的に従ってしゃがむと、シュンシュンッと頭上を何かがかすめた。

なっ何だよ……やっ槍だ!!

「三歩進んで二歩下がらないと、トラップが発動する。制限時間はあと十分しかないから、それまでに突き当たりの部屋まで行くんだ。いいか?」

「えぇぇぇえっ!?」

ど~見ても部屋なんか見えないんですが。

どんだけ長いんですか、ここはぁっ!!

「ほらモカヒン! 歩け歩け歩けそして下がれ下がれ!!」

なんかもう競歩、いや社交ダンスのチャチャチャ?

腰ふるみたいにブリブリ歩きながら荒い息して二歩下がる。

「あと三分だ、三分しかないぃっ!!」

背後から声が飛んできて、俺は先代を振り返る。

「さっ三分!?」

まだ先見えねーし!!

先代俺よりカナリ後ろだし!! ピーンチ!!


「先代、走るしないッスよ!!」

「一人で先に行け」

「え~! 先代どうするんですか?」

「大丈夫だ。大丈夫だよ。早く行ってやりなさい……」

先代は静かな微笑みを浮かべ、ゆっくりと歩き出した……が勿論四歩目に後退。

間に合わない。

「制限時間切ると、どうなるんですか!?」