夜風がとても気持ち良くて、どこか遠くへ行きたくなった。
窓から大きく息を吸い込んで 消えそうな月を見上げた。
その隣りで ひとつだけ強く輝く星。
いつみても月の隣りで輝き続けるその星が好きだった。
振り返って見るとあたしの恋はいつも暖かかった。
彼の名前はタクミ。
あたしの最愛の人。彼はいつも、どんな時でも あたしを支えてくれた。
生まれて初めて尊敬できる人だった。
タクミとの出会いは今から4年も前のこと。当時、働いていた職場の仲間たちと飲みに出かけた夜だった。
雰囲気のいい ひとつひとつずつくぎられた客席、薄暗い店内 小さなキャンドルが各テーブルにおいてあった。
静かすぎるわけでもなく、騒ぐ人もいない そんな居心地のいい場所で あたしたちは出会ったのだ。
タクミは 不機嫌そうにビールを飲んでいた。
初めての印象はとてもいいものとは言えなかった。あたしはカシスオレンジを飲み、カマンベールチーズを食べた。
周りの会話は弾んでいるのに タクミだけが わざとこの場に馴染まないようにしているように見えた。
お決まりのように気がつけば2人居なくなり 残された4人は抜けた2人のことを話始める。タクミは相変わらずビールを飲んでいた。
誰もタクミの不機嫌さには触れない様子で楽しそうに話していた。
そして気がついた頃には あたしとタクミの2人だけになってしまったのだった…。
あたしはディタを飲み、タクミはまだビールを飲んでいる。
この人、ここに来てから言葉を発したのかな?
ふと疑問に想い恐る恐る話しかけてみた。
「あの〜どうして怒ってるんですか?」
肘をテーブルにつき顔に当てて窓の方を見ている。
返事はない。
「名前はなんて言うの?」
懲りずにまた話しかける。
すると 姿勢を正しこっちを見た。初めて目が合った瞬間に たぶん あたしはタクミに恋をしてしまったんだと思う。タクミの目は 黒く芯があり強い力を持っているようだ。真っ直ぐに見つめられたあたしは 絶え切れずにうつむいてしまうほどだった。「名前はタクミ。別に怒ってないよ」それだけ言って空になったグラスに口を付けた。
「あたしは若菜って言うの」そう言うと、タクミは一度コッチを見てから「もういっぱいだけ飲んでいいかな?」と言った。
窓から大きく息を吸い込んで 消えそうな月を見上げた。
その隣りで ひとつだけ強く輝く星。
いつみても月の隣りで輝き続けるその星が好きだった。
振り返って見るとあたしの恋はいつも暖かかった。
彼の名前はタクミ。
あたしの最愛の人。彼はいつも、どんな時でも あたしを支えてくれた。
生まれて初めて尊敬できる人だった。
タクミとの出会いは今から4年も前のこと。当時、働いていた職場の仲間たちと飲みに出かけた夜だった。
雰囲気のいい ひとつひとつずつくぎられた客席、薄暗い店内 小さなキャンドルが各テーブルにおいてあった。
静かすぎるわけでもなく、騒ぐ人もいない そんな居心地のいい場所で あたしたちは出会ったのだ。
タクミは 不機嫌そうにビールを飲んでいた。
初めての印象はとてもいいものとは言えなかった。あたしはカシスオレンジを飲み、カマンベールチーズを食べた。
周りの会話は弾んでいるのに タクミだけが わざとこの場に馴染まないようにしているように見えた。
お決まりのように気がつけば2人居なくなり 残された4人は抜けた2人のことを話始める。タクミは相変わらずビールを飲んでいた。
誰もタクミの不機嫌さには触れない様子で楽しそうに話していた。
そして気がついた頃には あたしとタクミの2人だけになってしまったのだった…。
あたしはディタを飲み、タクミはまだビールを飲んでいる。
この人、ここに来てから言葉を発したのかな?
ふと疑問に想い恐る恐る話しかけてみた。
「あの〜どうして怒ってるんですか?」
肘をテーブルにつき顔に当てて窓の方を見ている。
返事はない。
「名前はなんて言うの?」
懲りずにまた話しかける。
すると 姿勢を正しこっちを見た。初めて目が合った瞬間に たぶん あたしはタクミに恋をしてしまったんだと思う。タクミの目は 黒く芯があり強い力を持っているようだ。真っ直ぐに見つめられたあたしは 絶え切れずにうつむいてしまうほどだった。「名前はタクミ。別に怒ってないよ」それだけ言って空になったグラスに口を付けた。
「あたしは若菜って言うの」そう言うと、タクミは一度コッチを見てから「もういっぱいだけ飲んでいいかな?」と言った。

