私が、それを知ったのは中学1年生の時の初めての冬でした。

その日は、私は風邪を引いて学校を休んで家にいました。

母は仕事で・・・父も仕事でした。

お昼・・・くらいでしたかね・・・母が飛んで帰ってきたんです。

ものすごく慌てて・・・たぶんあの母を見るのは最初で最後だと思います。

「あ・・・おかえ「お父さんが・・・」

「・・・パパが・・・なに?」

変な胸騒ぎがおそいました。


          「ガン・・・かもしれない」

「は?」

最初は何の冗談かと笑ってしまいました。

「あはは なにいってんの?うそ・・・でしょ?」

「・・・」

母は黙って私を見つめていました。

(あ・・・ホントなんだ)

そう、思ったんです。でも・・・なんでしょうね・・・。

そんな重大に思えなかったんです。よく言えば、頭が理解できなかった。悪く言えば、そんの重大さが分からなかった。

しばらくして、父から電話がありました。




    父は、間違いなく・・・ガンになったのです。