雨が降るから。




キーンコーンカーンコーン


リズムよく、途切れることないチャイムの音がなりみんな席に着く。



俺と優花はクラスが違うため、登校したらすぐにそれぞれのクラスへ向かう。




俺は2組、優花は5組。





「んんん〜!おっはよ、琉ちゃんっ!」



「…はよ…。てか琉ちゃんて呼ぶなって」



「いいじゃんいいじゃ〜ん?だってきみの幼馴染の可愛い子が、琉ちゃんって呼んでたんだもんっ」



「…優花とお前は違うだろ…。…………………正臣。」



このちょっと無駄にテンションが高い奴は、東谷 正臣(ヒガシヤマサオミ)。


中学の頃からの付き合いで、たまたま同じクラスにもなって…まぁなんだかんだで今では一番仲がいい男友達。




…かも。





「だ〜か〜ら〜〜ッ!なんで優花ちゃんはよくて、オレはだめなんだよ!」



「…うざい、っていうか普通に引くっていうかきもい」




「はぁ〜〜??ナニソレ〜〜!じゃあしょうがないから琉ちゃんも、臣ちゃんって呼んでいいよ」



「…むり、やだ。」




正臣は普段いつもこんな感じで馬鹿っぽいけど、実は成績がトップクラス。



それに加えて、バスケのスポーツ推薦で入学したらしく、勉強もスポーツも出来るある意味天才くん。