「……」
「…え!あ、蓮(レン)先輩?」
「わ、正臣じゃん。…ってことは、こっちが如月くんかな?」
「……………はい」
渋々俺は、話しかけてくる相手に返事をする。
誰、なの。
なんか正臣と知り合いみたいだけど…ってか、先輩?
「どうも初めまして。僕、生徒会長の佐伯 蓮(サエキレン)です。如月くんにお話があって来ましたー」
にこにこと手を差し出す彼は、…生徒会長らしい。
「…………どうも」
「あれー?僕、入学式で挨拶したんだけどなー?ほんっとうに初めましてになっちゃったかなー?あはは」
「…………」
「ちょ、え?蓮先輩、なんですかいきなり!」
「話があってきたの、如月くんに」
「…話って、なんですか…?」
俺が聞くと、相手はにこにこと話を始めた。
「きみ、生徒会に入ってくれないかなー?」
「えっ?」
「いやー、なんかね、あの子、優花ちゃん?が、君がいないと生徒会に入らないって言ってるみたいなんだよね〜」
「優花が?」
「もともと生徒会のメンバーは、各学年2名ずつ推薦で決まるんだけどね。優花ちゃんには先生からも生徒からも1番に推されてたみたいなんだ」
「はぁ…」
「んーまぁそれで、優花ちゃんには生徒会に入ってもらうべきなんだけど、その優花ちゃんに話を聞いたところ、きみ…如月琉太郎くんが入るならOKらしくて」
「…」
「つまり、逆に言うときみがいないなら入らないってことらしいんだ。」
「そ、…うなんですか」
「うん。だから、入ってください。生徒会に」
「…え…」
まて、まてまてまてまて。
どうして、え?
優花、そんなわがまま言うやつじゃなかったはず……………………いや、言うかも。
でも、なんで俺…?
「入ってくださいお願いします」
「ちょっと…無理っていうか、嫌っていうか…」
「お願いします…」
「えー別にいいじゃん。琉、生徒会はいれば?」
「正臣は黙って。」
「んーでも、僕、きみが生徒会に入ってくれるって言ってもらえないと…だめなんだよね」
「いや、あの、…でも…」
嫌、です。
なんでいきなり!
昨日優花には、嫌って言ったのに。
あーもう!
なんで、なんで俺なんだ。
「じゃあとりあえず、見学だけでも着てもらえませんか?」
「えっ」
「優花ちゃんと、今日、放課後。生徒会室に来てくださいおねがいします!」
「…」
「お願いします」
「は、はぁ…」
「ありがとうございます!じゃ、まってます!では」
…なんだ一体。
ガチャンとまたドアが閉められて、またここの屋上にいるのは俺と正臣だけになった。
それにしても、…
何なんだ、あの人。
