雨が降るから。



「じゃあ、なんて呼べばいいのさ。」




「中学と同じでいいじゃん。」



「え〜〜〜りゅー、って呼ぶの???」





「…琉太郎、でもいいけどべつに」




「はっ!?琉太郎とか普通に呼びにくいから!やだ!」






「あっそ…もう好きにすれば…」





いくら天才だからって、こいつはおかしい。



この無駄なおしゃべり具合が、なんとなく母さんに似てる気がしなくもないのが少し複雑だけど。





「でさ!琉は結局部活とか入らないの?」




「めんどいし…多分はいんねーよ」



結局、琉って呼ぶのか。なんて思いながら俺は授業中の雑談に付き合ってやる。



何故だが入学してすぐに席替えをして、俺らは前後になっている。




まぁどうでもいいことだけど。






「そっか〜。まぁオレも遊びてーけどなぁ」




「正臣は、バスケ部だろ?…てか推薦入学なんだから入らなきゃだめなんじゃねーの?」



「そーそー!!ほんっとめんどい!もー入学式の次の日から部活参加してるわ!オレ!」




「うっわ…おつかれ」







とにかく、正臣はバスケ部に入るらしい。




俺は入らない、つもりだけど…。





つもり、だけど。