美佳side



「あーあ、ケンカしちゃった…。」
今までしたことなかったのに。
でも…何だかんだ言って優しいよね。
送ってくれようとしてたなんて。
素直に送ってもらえばよかったなー。
この意地っ張りな性格も、なかなか苦労するよ…。
「な、なぁ、あの子可愛くね?」
「ホントだ。声かけてみるかっ!」
どこからともなくそんな声が聞こえた。
可愛い子は苦労するねぇ…。
可哀想に。
きっとナンパでもされるんだろうよ。
お気の毒。
「ねぇねぇ、そこのかーのじょ!」
その声が聞こえたと同時に自分の肩に手を乗せられる感覚があった。
うそっ!なに!あたしのこと!
ちょっ、ほんっと最悪。
今日はついてないなぁー。
よし、無視しよう。