気がつけば家に戻ってきていて階段を駆け上っていた。

「千華!?どうしたの!??」
母の声がしたが、母の問いに答える余裕はなく自分の部屋に引きこもった。

バタン!!

そんなの音が、暗く冷えきった千華の部屋に響いた。

千華はそのままベットに死人のように倒れこんだ。

そして、出てきたのは涙だった。

「うっうっぅ…」

母に聞こえないように声をベットに抑えて泣いた。

今から思えば隼人君が女の子とキスしてたからってなんなんだろ。

気にすることでもないじゃん。

隼人君は学校一のモテ男。
彼女の一人や二人いても…おかしくないよ…。

私が勝手に隼人君のこと好きなだけだし。

隼人君が私のこと一人の女の子として見てくれてないことぐらいとっくの…昔から…知ってた…ことなんだから…泣いても…意味なのに…。

「うっうっうっぅ…」

あの場を思い返せば思い返すほど涙が込み上げてきた。

その夜、隼人君は私が落としたケータイを母に渡して私には合わずに帰った。




「クリスマスに失恋しなくてもな…」