幻~Summer~




「「ここまで来るの、大変だったべ?笑」」


「大変だったよぉ…迷ったんだからね」


「「迎えに行こうと思ってたけど、すっかり忘れてたわぁ ふはは」」


「でも爽太くんがここまで連れてきてくれたの」」


「「そうかそうか、爽太も大したもんだなぁ。
  おめと同い年だったっけか…」」




私は小学6年生だ。


来年からはあっというまに中学生。


正直言って小学校は楽しくない。。













お父さんがいなくなったときとちょうど同じ時期、仲が良かった親友が転校してしまった。



ほかにも友達はいたけど、その親友ほど仲の良い友達はできなかった。





中学校に行ったら何か変わるかもしれない、そんな風に考えていた。







爽太も同い年だったのか…





そういえば小学校を見せてくれてたなぁ…笑





爽太の制服姿、想像できないなぁ…





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まあ自分の制服姿も想像できるかといえばできないか。








「「ご飯食べるか?」」



「うん、そうする。あ、一ヶ月よろしくね」


「「おお、おめの住んでるとこより田舎だけど、ここもいい場所だからな」」




「うん、分ってるー」












爽太に会うまでは不安で仕方なかったけど、何とかなるような気がした。