幻~Summer~






男の子はずっと歩き続けた



そういえば名前きいてなかった。



名前を聞こうとしたら




『お前…  名前なんて言うの?』




男の子に言われた




「えれな。。。だよ」



『ふーーん、えれな、か』





「なにそれ、笑」





『いい名前だなーって思って。』





「初めて言われた、笑」






その後も他愛のない話をしていた







ここに来た理由


両親のこと


お互いの学校のこと…








初めて会ったはずなのにいろんな話をした。





男の子は父親と二人暮らしだという


母親は生まれてすぐに亡くなったという。



少し古びた建物が見えた。

でもどこか懐かしい気がして…



「これは…?」


『ここが俺の小学校』




とても小さい学校だったがなんだか可愛らしかった



「小さくてかわいー…」


『なんだよ、 馬鹿にしてんの?笑』

「そんなことない、なんかいいなぁって思ったの。」





『ふーん、そっか。』









しばらくして男の子はある家の前で立ち止った



『ばあちゃーん』


少ししてからおばあさんが出てきた


「「なんだーい?」」




『ん、この子泣いてたんだよ、道分んなかったらしくて』


「「おーおーよく来たなぁ!!」」



「おばあちゃん??」


「「あぁ、そうだよ、久しぶりだなぁ!!」」

「「爽太、ありがとなぁ」」









「爽太…?」


『あ、名前言ってなかったな。俺は爽太。ここの隣に住んでるんだ』


「え…そうだったの?」


『そうだよ、お前が持ってるメモ見てびっくりしたよ。これからよろしくな!!』










長いようで短い


短いようで長い



忘れることのない夏休みが始まった。