「アルム」 いつもとは違う、沈黙を破ったのは俺だった。 「何?」 アルムは窓の外を見つめていた目を、俺に向ける。 「三日後にな、外の町で祭りがあるんだけどよ、一緒に行かねぇか?レイも連れて」 「え…外の町?」 アルムが怯えた表情になった。 そりゃそうだろうな。 アルムがこう反応することは、俺にはわかっていた。 だけど、俺は見せたかった。 アルムに、楽しい光景を。