夜の十時。 この時間には、レイは既に寝ている時間だった。 アルムはその時間になると、決まって俺の部屋を訪れる。 部屋をノックする音が聞こえたので、俺は「おーう」と答えてアルムを迎えた。 「レオン、お疲れー」 「おう」 アルムの言葉は、今日の訓練指導の任務に対しての言葉なんだろうな。 「また体術の自主訓練してたろ」 「ハズレ、今日は魔力の自主訓練」 俺は予想がハズれたことに、少し驚いた表情をした。 普段アルムがここへ来る前に行っている自主訓練は、体術であるからだ。