あの日の空の色

男も、『どっかで会った事あるよね?…でも。いつだ?どこでだ?』っていう様な、曖昧な記憶しか無いようで、自分の記憶をたどって、必死に思い出そうとしていた。


『先週末、飲みに来ましたよね?井上運送の息子さんと。』

…めんどくさいから、記憶を引っ張り出してやった。


『あー!おぅおぅ、あの店の子か~!思い出した!』

…声、デカイよ!


『確か…、時田さんですよね?』

お客さんの名前を覚えるのは得意だった。


『は?違うよ。西村だよね?ヨッチャン!』
和美が割って入ってきた。

…アタシが“時田”だと思っている、“ヨッチャン”と呼ばれた男は、一人面白そうにゲラゲラ笑った。


《こ~の嘘つき男!》