私は今、何をしているのだろう。
こんな所に立ち尽くすより他に何かすべき事があったはずだ。
けれど、どんなに考えても一向に結果なんか出なくて。
とりあえずそこから出なければ。
…そこまで考えて気が付いた。

「ここは、どこ?」

一人の少女の声が誰も居ない真っ白な空間に反響して静かに消えていった。





男の子が、泣いていた。
傍に座って声を掛けてみたが何も反応してはくれなかった。
手を引っ張って立ち上がらせると背丈は自分と同じくらいだと気が付いた。
男の子は私を見て手を振り払った。
驚く私を他所に男の子はまた泣き出した。
理由を訪ねてみれば、男の子は目をこすりながら掠れた声で問い掛けた。

「…だれにも、いわない?」

自分は頷く。
誰かに言ってしまったら何かが起こる程、誰にも言えないことなのだろうか。



「僕は______だから。」



脳内で音が鳴り響いた。