愛の方程式











屋上にやって来ると、フェンスに寄りかかって待っている男子がいた。
…あたしはこれから告白されます。

美波はあたしといつも仲が良いから、男子によく頼まれる。
そして、あたしが向かうというお決まり。



「…ごめんね!待たせちゃったよね」

「ううん、平気!」



声を掛けられて、振り向くと確かにカッコいい。
…でも、あたしのタイプじゃないし、付き合う気もない。



「…あのさ、今付き合ってる人いる?」

「…いない」



…やっぱり。
この流れは一つしかない。
このパターンで告白されないことは今までない。



「もし、よかったら…俺と」

「…」



男子は恥ずかしがりながら、あたしを見つめてくる。
…そういうの、困るんだよね。
どういう顔したらいいか分からないし。



「…付き合ってください!」

「…ごめんなさい」

「…え。…俺のこと嫌い?」

「…いや、別にそういう訳じゃ…」



…そもそもあなたのこと知らないし。
好きでも嫌いでもないし。



「…俺じゃダメかな?」

「…ごめん」

「…理由聞いてもいい?」

「…付き合うつもりないから」

「…え?誰とも?」

「…分からない」



たぶん、ないと思う。
あたしと付き合っても続かないし。

男子は悲しそうに下を向く。
あたしはもう一度謝ってから、屋上を出ようとした。