愛の方程式












「…なんだ」

「…あの、先生に大事な話があります」

「待たせている子がいるから手短に頼む」

「はい。…あの、私」



…この雰囲気。
あたしはなんだか嫌な予感がした。
あたしも味わったことのある感じ。



「先生のことが好きです」

「…え?」



…予想的中。
まさか、ほんとに告る子がいるとは思わなかった。
どうするんだろう…?



「私、先生のこと本気で好きなんです!」

「…気持ちは嬉しいが、それは無理だ」

「…え」

「…俺は生徒と付き合うつもりはない」

「卒業したらまた考えてもらえませんか?」

「…それも無理だ」

「…どうしてですか?」



…今にも泣き崩れそうな女の子。
でも、湊の言ってることは正しいと思う。
それに、口調が優しかった。
胸が少し痛んだ。



「…俺はお前を生徒としてしか見たことがない。それに俺はやめとけ」

「…え?」

「…俺はお前が思ってるほどいい人間じゃない」

「…あっ、待って先生!」



…どういう意味?
湊は苦々しい顔をしていた。

女子生徒は泣いていた。
でも、湊は振り返りもしなかった。

…湊って何者なの?
なにかあったのかな…?
…って、ヤバい!こっち来る!!


あたしは急いで席に着いた。
…大丈夫かな?
平常心でいられるかな?