こうして、あたしは湊に何度も指摘されながらも問題を解き続けた。
そして、ようやくスムーズに解き進められるようになった。
…湊って、すごいかも?
教え方も上手いし、教えてるときは優しい。
…ちょっと、見直したかな?
「…泉」
「…また間違えてましたか?」
「…いや、その逆だ」
「…え!?」
湊が丸つけたノートを見ると、全てに丸がついていた。
…嘘!?全問正解!?
あの大嫌いだった数学が!?
「やったぁ!超嬉しい!!」
あたしは思わず、はしゃいでしまった。
…ヤバい!湊に怒られる…!!
「…よく頑張ったな」
「…えっ!?」
すると、湊はあたしの頭をポンポンと優しく撫でた。
今までに見たこともないような笑顔だった。
…正直、ドキッとした。
全く別人のように見えた。
「…もうこんな時間か。今日はもう終わりにするか」
「…は、はい」
…どうしよう、心臓がうるさい。
あたし、何戸惑ってんの!?
あんなに嫌いだったはずなのに…
今ではもう、そんな感情何処にもない。
「…あ、ありがとうございました」
「あぁ。ちゃんと復習しろよ」
「はい」
「気をつけて帰れ」
「…はい」
あたしは教室の扉を閉めた。
…どうしちゃったんだろ、あたし。
それに、湊ってあんな感じだったっけ!?
あたしはモヤモヤする気持ちのまま家に帰った。

