愛の方程式











湊はあたしを特別教室に連れて行った。
特別教室は普段、使われない空き教室。
先生と個別相談したり、質問したりする人が使ったりする。



「…座れ」

「…はい」


あたしは椅子に座ると、湊は通路を挟んだ隣の席に座った。



「…お前、まさかあそこまで言うとはな」

「…すみませんでした」

「…フッ。お前って、変わってるな」



…え?
今、笑った?
…初めて見たかも。
湊が笑った顔。
きっと、誰も見たことがないだろう。
なぜか、湊の笑顔にドキッとする自分がいた。
…いや、今のは気のせいだよ。



「…だが、話はこれでは終わらない」

「…あたし、何かしましたか?」

「…これは、どういうことだ?」



すると、湊は手に持っていたプリントをあたしの目の前に差し出した。

…これは、数学の小テスト?
…げっ!点数は24点。
…しょうがないじゃん、数学苦手なんだから。



「どうしたらこんな点数が取れるのか説明してもらおうか」



湊は眼鏡を中指で押し上げた。
…あたしを鋭い目で見てくる。
…もう、正直に言うしかないよね。