「ほら、こい。我慢なんてするな。泣きたいなら泣け」
『ははっ、健人にはお見通しかぁ』
ポロポロと涙が溢れてくる。
黒板に書かれた文字は、泥棒猫だの、健人とは別れろだの、今のわたしには充分過ぎるくらいキツイ文字列ばかりだった。
ーーー結局1時間丸々サボってしまった私達は、大人しく教室に戻ることにした。
「美那、健人くん、おかえり。大丈夫?」
『うん、大丈夫だよ。ちょっとトイレ言ってくるね』
教室に戻ってみたのはいいけど、居心地が悪くてトイレに逃げた。
個室に入り鍵をしめ、深呼吸をしていると、下品な笑い声をあげながら"何か"について盛り上がってる女の子達の声がした。
