その日はなんの前触れもやってくる。




『な、にこれ』




教室に着くと、黒板には私への誹謗中傷の文字がたくさん並んでいた。




「ちょっと!誰よ!こんなの書いた人!!!」




怒鳴りながらも黒板の文字を消していく実乃里に、涙が溢れそうになる。



我慢、我慢しなきゃ。



「くっだらねーことやるやついるのな」




私より高い位置から健人の声がする。



「これ、書いたやつ誰だか知んねーけど、犯人わかったらただじゃ済ませねーからな」




「美那、行くぞ」




『へ?あ、どこにいくの?!』




「黙ってついてこいって」




健人に手を引かれながら、着いたところは屋上だった。